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TICAD=アフリカ開発会議は、1993年から日本政府が主導して開いてきた国際会議です。
現在は3年に一度開かれていて、アフリカ各国の首脳や国際機関、それに企業などの関係者が、日本との経済協力や開発援助、それにアフリカが抱える課題などについて、広く議論する場となっています。
TICADは当初、先進国による大規模な援助が冷戦の終結によって縮小する中、日本がアフリカとの連携を強化しようと開発援助に重点を置いて始まりました。
その後、天然資源の価格高騰などによってアフリカ各国が経済発展を遂げると、テーマは「援助から投資へ」と変化し、アフリカを投資先と位置づけて民間企業によるビジネスチャンスの拡大が注目されるようになります。
こうした中、アフリカの成長を取り込もうと、中国や韓国、それにインドネシアやサウジアラビアなども相次いでアフリカとの国際会議を開くようになりました。
このうち中国は、2000年から中国版TICADとも言われる「中国アフリカ協力フォーラム」を3年ごとに開催し、インフラ建設や巨額の融資を続けて結び付きを強めてきました。
またロシアも、アフリカとの経済会議を2019年から開催し存在感を高めようとしていて、特に2022年に始まったウクライナ侵攻以降、欧米との対立が強まる中で、よりアフリカとの関係を重視しています。
一方、アメリカはことし1月にトランプ大統領が就任して以降、対外援助を大幅に削減し、援助に頼ってきた現場では資金難のため、さまざまな活動が停止する事態にもなっています。
中国やロシアなどがアフリカとの結び付きを強める中、日本としては9回目となる今回のTICADで官民の連携を深め、日本企業による投資の促進やアフリカとの一層の関係強化につなげられるかが問われることになります。
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