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アメリカのトランプ大統領はことし1月に大統領に就任する前から「戦争を24時間で終わらせる」と主張するなどロシアとウクライナとの戦闘の早期終結の実現に意欲を示してきました。
就任後には、前のバイデン政権の方針を転換してロシアのプーチン大統領との接触に乗り出し、2月12日にプーチン大統領との電話会談を行ったと発表。その後、2月18日には2022年のロシアによるウクライナへの侵攻開始以降、初めて、米ロの外相が対面で正式に会談しました。
また、同じ2月、トランプ大統領は、ウクライナが求めているNATO=北大西洋条約機構への加盟について「現実的ではない」と否定的な考えを示したほか、ウクライナのゼレンスキー大統領を「選挙なき独裁者」と呼んで非難するなど、ロシア寄りとも受け止められる発言を相次いで行いました。
2月28日にホワイトハウスで行われたゼレンスキー大統領との会談では激しい口論となり、予定していたウクライナ国内の鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名が見送られ、ウクライナとの関係が悪化しました。
その後、トランプ政権がウクライナへの軍事支援や軍事情報の共有を一時停止したことが明らかになりました。
こうした中、4月、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の葬儀にあわせてバチカンでトランプ大統領とゼレンスキー大統領が再び会談しました。
トランプ大統領はこの会談を評価する一方、ロシアへの失望を表明しました。
その後、トランプ大統領は、ロシアがウクライナへの攻撃を継続し、戦闘の終結が実現しないことに、次第にいらだちをつのらせました。
先月には「非常に失望している。プーチン大統領は停戦するつもりはない」とか「彼からはたくさんのでたらめを浴びせられている。彼はいつも感じがよいが、結局のところ、意味がない」と不満を示していました。
そして、トランプ大統領は、ウクライナに対してNATOの加盟国を通じて防空システム「パトリオット」を含む兵器を供与すると表明しました。
さらに、ロシアが停戦に応じなければ、ロシア製品を購入する国々に対し2次関税を課す考えを示し、その後、その期限を今月8日までとする方針を表明していました。
その期限の当日、トランプ大統領は、SNSへの投稿で、今月15日にアメリカのアラスカ州でプーチン大統領と首脳会談を行うことを明らかにしました。
対面での米ロ首脳会談は、2021年6月にバイデン前大統領がスイスのジュネーブで行って以来で、ロシアによるウクライナ侵攻後は初めてです。
トランプ大統領は今回の会談を「ロシアの出方をうかがう会談」と位置づけ、プーチン大統領に「戦争を終わらせなければならない」と伝えるとしています。
さらに、ゼレンスキー大統領を含めた3者会談の実現にも意欲を示していますが、ホワイトハウスの報道官は、今月12日、首脳会談にゼレンスキー大統領は参加しないと明らかにしました。
トランプ大統領としては今回の会談によって、停戦に向けて事態の打開を図りたい考えです。
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