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「新型の無人兵器」
今回の軍事パレードでは、陸海空の作戦でそれぞれ使用される新型の無人兵器が登場しました。
陸軍の作戦部隊は、地雷の除去や敵の偵察、攻撃などさまざまな軍事活動が可能な新型の無人戦闘車両のほか、4足歩行のロボットを紹介しました。また海軍の作戦部隊は、無人艇や無人潜水艇などを公開しました。
このうち、魚雷のような形をした「AJX002」について、香港メディアは、全長が20メートル近くあり、核弾頭を搭載できるロシアの無人の原子力潜水艇「ポセイドン」に似ているなどと伝えています。
専門家は「もし核弾頭を搭載すればアメリカの空母を攻撃したり、港湾を封鎖したりすることができる可能性がある」と指摘しています。
このほか、航空部隊は、新型の偵察機や艦艇に搭載するヘリコプターなどさまざま無人機を公開し、各国で無人兵器の開発が進む中、軍事技術の高さをアピールしました。
「新型ICBMとSLBM」
新型のICBM=大陸間弾道ミサイルの「東風61」とSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルの「巨浪3」も公開されました。
このうち「東風61」について、中国の軍事情勢に詳しい笹川平和財団の小原凡司上席フェローは「これまで存在すら明確な情報がなかった兵器で、初めての登場に驚いた。大陸間弾道ミサイルになるので非常に重要な兵器であり、より多くの、もしくはより大きな核弾頭を搭載する可能性がある。または、核弾頭ではなく通常弾頭を搭載する可能性もある」と述べています。
また「巨浪3」は、核弾頭が搭載可能なSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルです。アメリカ国防総省の報告書などによりますと、射程が従来の「巨浪2」よりおよそ3000キロ長い1万キロ以上で、中国周辺の海域からアメリカ本土を狙うことができるとされています。
中国はこうしたミサイルを搭載可能な原子力潜水艦を6隻運用しているとみられるということです。
アメリカを射程にいれた可能性があるミサイルを公開することで、アメリカに対する抑止力を示すねらいもあるとみられます。
「最新ステルス戦闘機」
最新のステルス戦闘機も登場しました。
中国国営の新華社通信によりますと、このうち「殲35」は空母に搭載可能なステルス戦闘機です。中国は2隻の空母を運用し、ことしにも3隻目の空母を就役させるという見方が出ていて、海や空での作戦能力の強化を進めています。
また「殲20S」は、2人乗りの多用途戦闘機です。中国軍はステルス戦闘機の多角化を進めていて、作戦能力の強化をアピールするねらいがあるとみられます。
「極超音速兵器」
音速の5倍以上の速さで飛行する「極超音速兵器」も複数、公開されました。
「極超音速兵器」は、通常の弾道ミサイルと違って高い機動性があり軌道の予測が難しいことから、従来のミサイル防衛システムでは探知や迎撃が難しいとされています。
中国メディアによりますと、今回公開された「鷹撃17、19、20」は、艦載機や潜水艇などに搭載可能だということです。また専門家の話として、「鷹撃21」は爆撃機への搭載が想定されると伝えています。
極超音速兵器をめぐっては各国が開発を進めていて、開発競争が激しくなっています。