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羅臼岳で「友人がヒグマに襲われた」と通報した登山者から話を聞いたという男性がNHKの取材に証言しました。
この中で男性は「登山者はクマを友人から引き剥がそうとしたが、全くびくともしなくて連れて行かれてしまったと話していた」と当時の緊迫した状況を明らかにしました。
男性は標高230メートルにある岩尾別温泉登山口から山に入り、羅臼岳に登ったあと、下山する途中だったということです。
そのルートの途中にある標高550メートルに位置する「オホーツク展望」で正午ごろ、40人前後の人が集まっていて、近づいていったところ「友人がクマに襲われた」と通報した登山者がいたということです。
当時の状況について男性は「通報した登山者は『友人がクマに襲われていた。勇気を振り絞って助けにいって、叩いて友人から引き剥がそうとしたが、全くびくともしなくて連れて行かれてしまった』としょうすいしきった様子で泣きながら話していた」と証言します。
そして、現場付近の登山道については「整備されている道だが、両脇がすぐに林になっていてもしクマがいても分かりづらいと思う。自分もシカを目撃したが、かなり警戒して登っていても音がしてやっと気付くような環境で、木が茂っていて死角が多いと思う」と指摘しました。
さらに「クマが下に逃げていったので下山することができない」と言われたため、集まった人たちはクマを撃退するスプレーで警戒を続け、男性は午後2時ごろ、ヘリコプターで救助されたということです。
男性は「救助されたときは、危険地帯から脱出したというのは、助かった、無事だったなと強く感じた」と振り返ります。
羅臼岳は日本百名山にも数えられる登山客に人気の山で14日も駐車場がいっぱいになるほど多くの人が訪れていたということです。
男性は「人気の山なので、『どこかで多少は安全だろう、大丈夫だろう』と思っていた。危険性があることは承知していた一方で、クマの特性から人を避けると思っていたので、襲われるというのは怖いと思った。一歩間違えれば自分に起こりえたことなので注意しないといけないと強く感じた」と話します。
そして「われわれの救助が優先的に行われている状況だったので、被害に遭われた人と通報者のことが心配でならなかった。被害者の方が早く見つかり、無事でいてほしい」と話していました。
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