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東洋大姫路高校のエース、木下鷹大投手は3回途中から登板し気持ちのこもったピッチングで、8つの三振を奪い勝利に貢献しました。
重圧のかかるマウンドで、1点のリードを守りきり、ピンチの場面も気迫の投球で得点を与えなかった木下投手。
その裏には、少ない出場のチャンスで懸命にチームのためにプレーした同級生たちへの思いがありました。
ベスト8のかかった17日の試合、先発のマウンドに上がったのは、この夏の地方大会で初めてメンバー入りを果たし甲子園では初登板となった3年生の森皐葵投手でした。
ベンチ入りしている6人のピッチャー全員でこの甲子園を戦い抜くと決めていたエースの木下投手は、森投手の起用がうれしかったと言います。
プレッシャーのかかるマウンドを任された森投手は持ち味の変化球を低めに集め、強打の西日本短大付属高校を相手に一歩もひくことなく、堂々のピッチングを見せ、2回を無失点におさえました。
3回に入り相手打線につかまって2人のランナーを背負うピンチをつくると、ここでエースの木下投手に交代しました。
木下投手は「初登板で緊張する中、粘ってくれてうれしかったし本当に助かった。森投手は責任感のある選手なので、自分がなんとか抑えようと思った」とマウンドを引き継ぎ、1点こそ失いましたが、最少失点でこのピンチを切り抜けました。
その直後の4回の攻撃の先頭打者は、この夏、堅い守備とシュアなバッティングでセンターのレギュラーを任された2番、3年生の木本琉惺選手でした。
チームはここまで相手ピッチャーにノーヒットに抑えられ、先制された直後の大事な攻撃で木本選手はコンパクトに振り抜いてライト前へヒット。
この出塁を皮切りに1点を返すと、流れに乗った味方打線は5回にも3番と4番の連続タイムリーで一気に勝ち越しました。
木下投手は「この夏、メンバーに入った森投手と木本選手の活躍で、チームが勢いづいた。この流れを渡してはいけない」とさらにギアをあげ、勝ち越した5回のウラでは140キロを超えるストレートを強気に次々と投げ込み、三者連続三振に抑えました。
その後も得点圏にランナーを背負っても全員で勝ち越した貴重な1点を守るため、木下投手は思いっきり腕を振り、ベスト8を決めました。
「3年生みんなの意地でここまで勝ってきた。このあとも1戦必勝でやっていきます」とまっすぐに前を見て話した木下投手。
同じ3年生として切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間とともにさらなる高みを目指します。
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