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アメリカのトランプ大統領とFRBのパウエル議長の対立が深まった背景には、トランプ大統領が経済を成長させるための利下げを求めてきたのに対し、パウエル議長が利下げを急ぐことに慎重だったことがあります。
対立はパウエル議長が任命されたトランプ政権の1期目から始まり、トランプ大統領はパウエル議長に対して「FRBの対応が遅い」などと、利下げを求めて圧力をかけました。
トランプ大統領は2期目のことし1月以降もパウエル議長を“遅すぎる男”と呼んで繰り返し利下げを求めましたが、パウエル議長はトランプ政権の関税措置の影響でインフレが再び進むリスクなどを踏まえて利下げを急ぐことに慎重で、両者の対立は一段と激しくなりました。
7月13日にはトランプ大統領が記者団に対し「アメリカは地球上で最も低い金利であるべきなのに、そうなっていない。彼がそれを拒否しているだけだ」と発言し、「パウエル氏が辞任すればそれはすばらしいことだ。彼が辞任することを望んでいる」と述べました。
さらに、7月24日にはFRBの本部に異例の訪問を行い、パウエル議長の目の前で「彼には金利を引き下げてほしい」と改めて利下げを要求しました。
一方、パウエル議長は7月30日の記者会見で、トランプ大統領の発言がFRBの独立性に及ぼす影響について問われたのに対し「先進国の政府は中央銀行の決定との間に距離を置いてきた。もし、そのような距離がなかったら例えば、金利を操作して選挙に影響を与えるといった大きな誘惑が生じるだろう。それは私たちが望んでいないことだ」と独立性の重要性を強調していました。
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